質問
Full-PPEでコロナ感染者に介入されたリハビリスタッフの方でcovit-19に罹患された方はどの程度おられるのでしょうか?
当院では第5波まで院内でcovit-19が発生したケースがありませんでしたが、この第6波にて入院患者および病棟スタッフにて急速に感染者数が増加し、大規模なクラスターが発生しました。
あまりにも急速に感染が拡大したため状況の把握が難しく、感染の終息を第一にするため、一部の入院病棟にてリハビリが中止となる期間がありました。
感染した患者様は、covit-19とは別の疾患で元々リハビリ目的で入院されていた方がほとんどであり、このリハビリ休止期間によって患者様のADLが低下したケースも多々ありました。
そのためcovit-19感染者(発症10日以内の患者)への介入を検討していますが、オミクロン株の感染力の強さ、またエアロゾル感染のリスクを不安に思っているスタッフも多数います。
そこで教えていただきたいのですが、
実際、Full-PPEでコロナ感染者に介入されたリハビリスタッフの方でcovit-19に罹患された方などは、どの程度おられるのでしょうか。Full-PPEで適切な感染対策をおこなっていれば、罹患する確率はかなり下げれるものなのでしょうか。
回答
オミクロンは仰る通り、エアロゾル感染が主役です。この対策を徹底することが感染拡大を防ぐ最大の課題です。
オミクロンの特徴は
① 感染力が強い(デルタの約1.5倍と言われている)
② 潜伏期間が短い(約3~4日)
などであるため5波までの対策では不十分と考えます。
COVID-19 患者の介入もさることながら、それ以外もより感染対策を強化して介入する必要があります。
例えば、接触時間や距離などを配慮した対策が必要です。
エアロゾル発生手技や、患者との距離が近くで介入する場合はN95 の対応が最も有効と考えます。
それらをより強化することで、職員の不安も少なくなり、双方の感染伝播が予防できます。
さて、お問い合わせのCOVID-19 患者へのリハビリ介入の安全性についてですが、
ゾーニングFull-PPEで介入すれば、罹患する確率はかなり低いです。
神戸市医療センター中央市民病院リハビリ職種のレッド対応者で陽性になった者は0人です。
これは、オミクロンになってもレッド病棟で医療者の感染が増加はしていませんので安全と言えます。
しかし、full-PPEでの介入は、導入時点でのトレーニングが重要です。
最初は、2人一組で着脱をチェックしながら、安全な手技を習得することが肝心だと思います。
院内の、感染担当看護師とよく協力して、介入をご検討ください。
感染予防対策委員会のサイトでもPPE着脱動画をアップしているのでご参考ください。